日本は?

日本がとりあえずここまで何とかゲームを作っているのは、すでに言ったように(http://d.hatena.ne.jp/Zephyrus/20100531)、超守備的な4-1-4-1あるいは4-3-2-1で、7人もの人間(DF×4+ボランチ×3)、場合によっては左右のSH×2までも守備に投入する9-1部隊だから。メディアは大騒ぎしているが、得点するという点ではまったくパターンがないという状況は何も変わっていない。前進のエンジンは松井、大久保のドリブル、クロス程度しかなく、フィニッシュの方法論は出たとこ勝負がいいところ(森本はどうなっているのか分からないが)。エトーが言った「本田のゴールはまぐれ」発言も、負け惜しみでも何でもなく、こうした日本のチーム事情込みで言ったものだろう。まったく正当だ。

岡田は就任以来中村俊に合わせたチーム作りを延々としながら、最後の最後、土壇場で中村を見限り、(岡田言うところの)「急成長した」本田に賭けて突貫工事でチーム体制を作り直した。その結果、「守備だけは形になる(そりゃ、7人も守備に投入すれば守れるわなぁ)」チームを作れたが、当然のこと攻撃まで手が回らない。今のチーム体制に即して代表招集もしていないから、そもそも速攻をしかけるための駒自体が不足している。しょうがないから、「慣れないポジジョンだけどやってくれ」となる。「やってくれ」と言われたって普段と違うポジションで攻撃をそうそう作れるはずがない。

結論から言うと、攻撃の方法論を欠く日本はデンマークに先取点を取られると相当つらい。攻めねばならずカウンターを仕掛けられやすい。前半は基本的に0-0狙い。デンマークの攻撃パターンを分析しつつ、防御に徹する。ベントナーよりも右ウィンガーには相当気を配らねばならない。挨拶代わりに削っておこう。体力消耗を押さえ最低限の攻撃をかけるのみ。カメルーン戦のように前半(運良く)得点できれば後半はひたすら守るのみだが、0-0であれば、あるいは0-1でリードされていればなおさら、後半が勝負となる。攻撃の枚数を増やすため、60分当たりで阿部を下げて森本を1topで入れ、本田を二列目に下げる(カメルーン戦でも、前半0-0だったらこうなっていたのではなかろうか?)。デンマークはオランダほどテクニシャンが揃っているわけではないから、そこそこ通用すると思う。ただ、問題は運動量の多い、大久保、松井が90分もつか? 今の日本はこの二人が抜けると完全にお手上げ、前へ進めない。大久保、松井、本田、森本が揃っているのはおよそ10〜15分だとして、その間に得点できれば望外の結果・・・なんだがなぁ。上手くいくかな?