温泉

18日から一泊で伊豆に行ってきた。行ったと言っても何をするわけでもない。ただ旅館で温泉に入っただけである。泊まったのは中伊豆の「嵯峨沢館」http://www.sagasawakan.com/

チェックインが2時半なのでそれにあわせて雨の中10時半頃出発。環八から東名に入り海老名で昼飯を食べて2時半ジャストに嵯峨沢館に着く。チェックイン時間ぴったりに着いたのに、もう駐車場には結構な数の車(ベンツ他高級車オンパレード!フェラーリ512TRがあったのにはびっくり。)。仲居に聞けば「今日は雨ということもあって2時頃には結構多くの客が来ていた」とのこと。みんな温泉に入ってうまいものを食うことだけを目的にしているのがみえみえ。今、温泉旅館は「癒しテーマパーク」と化している。今回の嵯峨沢館の宿泊料は、部屋付き露天のある部屋で28000円ほど。しかし、滞在時間およそ20時間、温泉入り放題、うまい飯(晩飯、朝飯)を個室で食べられるとなると、仕事で疲れた人間には下手なテーマパークに行くより絶対お得(特に嵯峨沢館と、姉妹旅館の「あせび野」http://www.asebino.com/は私の経験からすると抜群のコストパフォーマンスだと思う)。だから最近の温泉客は観光などしない。ただ単純に旅館に行くだけ。十分納得できる行動パターンだ。次に来るときには2時ジャストに入ろう。

これが二度目の滞在となる嵯峨沢館の部屋(和室)は結構年季の入ったもので、ぺかぺかの新しい部屋が好きという人には向かないだろうが、落ち着いた渋さがあり、私は気に入っている(ただし、ロビー、食事処、部屋の一部は最近改装されたので新しい)。しかも1Fの部屋には小さな庭があるのだが、これが妙にきれいきれいにしてなくて若干荒れた感じで、これまた私の趣味に合う。雑草なども生え、苔が石をうっすらと覆っており、その先に広がる川の音を聞いていると山奥に隠居所を構えた雰囲気である(ただ、その川の先に民家が見えるのはご愛敬)。渋い。(「部屋は新しいのがいい」という人にはあせび野を勧める。こちらは最近できた和風モダンの旅館ですべてがぺかぺかである。)

5時から流行の岩盤浴で1時間たっぷり汗を流して、6時半から夕食。個室の食事処で食べる。部屋食でないとという人もいるかもしれないが、下手に部屋食で冷めた料理を出されるよりはこちらの方がずっといい。嵯峨沢館の名前は風景が京都の嵯峨野に似ていることに由来するらしいが、食事も京懐石を思わせる繊細なもの。あせび野の食事は牛肉ステーキ、揚げ物など含む(女性では食べきれない可能性もある)ボリュームたっぷりのタイプだが、嵯峨沢館はステーキも揚げ物もないので、20代、30代の男性には不満が残るかもしれないが、繊細さ、食材の質ではこちらが上。(私はどちらも好きなのだが、今回はたまたま胃の具合が悪かったのであせび野だったら大変なことになっていただろう。)刺身などマグロ、ヒラメなど定番のものなのだが、味の‘濃さ’が違う。また、この時期に来ると鮎漁が解禁された直後で稚鮎が出るのだが、これが驚きの味。頭から丸ごと食べられてまったく臭みなどない。ほわほわした食感とともにほんのり甘さが口に広がる。私の場合、去年これを食べて鮎の概念が変わった。そこら辺で売っている鮎などもう食べられない。今回鮎が出なかったらどうしようと思っていたのだが、やっぱり出してくれた。京都の飯屋の個室でこの料理を食べたら間違いなく1.5万は出るだろう。大満足。

食事後、8時から蛍見物に出かけ(雨はやんでいたが大雨直後だったせいかあまり数を見られなかったが、去年は蛍の群舞が見られた)、10時からサッカー、日本vsクロアチアを見て寝る。

翌朝。晴天。7時から貸し切り露天にYと一緒に入り、8時から朝食。美味。これまたボリュームはないが繊細。ただ、稚鮎の干物と椎茸をちっちゃい卓上コンロで焼いて食べるのだが、火力が弱いせいか椎茸がちゃんと焼けなかった。これだけはマイナス。

10時にチェックアウト。御殿場のアウトレットで買い物をして、海老名で休んで帰る。帰宅は6時半でした。