6月17日 イタリアvsアメリカ

1−1。ガーナ戦で精密機械のようなプレーをしたあのイタリアがまさかの引き分けとなれば、見ないわけにはいかない。

退場者3人の荒れた試合だが、そのきっかけを作ったのはアメリカのプレー。何しろアメリカは前半異様に飛ばす。こんなに走り回ったら90分続かないというハイペースで(実際、後半15分にはもう疲れてペースが落ちた)、しかもアタリがひどい。プレスをかけると言うより何はともあれとりあえず体をぶつける。イタリアはこれを適当にいなしていれば良かったのだが、最年少23歳のデ・ロッシには無理だった。いらだちまぎれに顔面肘打ち一発、即レッド!(やりたくなる気持ちはよーく分かる!)アメリカはその後もイタリアを削りまくり結局退場者二人。そしてイタリアも無闇にタックルに行くようになって・・・もうめちゃくちゃ。やたらめったら選手がひっくり返りまくる。何かフットボールを見るというより、アメフトを見る感じに近い。こんな状態では、イタリアの精密機械のような組織もさすがに変調を来す。FWはオフサイドトラップにかかりまくるわ、あのカンナバーロが敵にパスをしてしまうわ、守備固めでトッティガットゥーゾに代わったせいもあって攻撃がピルロ頼みになってしまうわ・・・。アメリカのプレイヤーはともかく、イタリアのプレイヤーにはただひたすら疲れてストレスがたまるゲームだったことだろう。

こうなった責任は最終的には審判にある。前半アメリカがイタリアに対して過剰にフィジカルにいったときに、適切に警告なりイエローなりを出すべきだった。それを放置しておくから肉弾戦がエスカレートしてしまったのだ。あまりにフィジカルなプレーに警告も出さずエスカレートさせた挙げ句に一発レッドなどというのは、決して上手い審判のやることではない。オーストラリアもフィジカル任せのプレーをするが、アメリカのはさらにひどい。こういうフットボールを(アメフトやラグビーと)誤解したチームにはちゃんと制裁を科さないとゲームが台無しになってしまう。