7月1日 ブラジルvsフランス

0−1。前々回チャンピオンと前回チャンピオンの対決、元バロンドールジダンと現バロンドールロナウジーニョの対決。いくらパフォーマンスが向上しているとは言えフランスではブラジルに勝てないだろうと予想していたが、結果は逆。必死に改善を試みて上り調子のフランスと、不調(というより、ロナウド)を放置しているとしか思えないブラジルでは、気迫が違っていたというところか・・・。

試合が終わって何か違和感が残る。あのブラジルが負けた?(不調続きだった)フランスに?なぜ?恐らく今頃、世界中で、とりわけブラジルで、何百万もの人間が放心状態で眠れない、何もできない状態になっているんだろうなあ。

①フランスは必死だった。とりわけキャプテンのジダン。それに引き替え、ブラジルのキャプテン、カフーのパフォーマンスは明らかに見劣りがした。72年生まれのジダンは必死に走っていたが、70年生まれのカフーは走れなかった(走らなかった?)。カフーマルーダとマッチアップしたが、何度も置き去りにされ何度も強引なタックル、ファウルで止めるしかなかった。アンリが得点したジダンフリーキックも、元はと言えばカフーのファウル。パレイラは後半30分頃、カフーに代えてシシーニョを投入するが、これは後半開始からでも良かったと悔やまれる。

ガーナ戦、カフーは終盤2、3度ゴール前でGKと1対1になるが、すべてシュート失敗。しかも気になったのはその度にカフーが笑っていること。ブラジル人特有のキャラなのかとも思われるが、少なくともその最後のシュートミスの時には、ゴール前に詰めていたロナウジーニョが「何でこっちにパスしない!」と形相を変えて怒っていたのとは対照的だった。どこか、ブラジルには必死さがなかったような気がしてならない。

②FWの不調が結局ブラジルの決定的な問題だったのだろう。パレイラはこのゲームでアドリアーノを外し、ロナウドロナウジーニョの2トップ、中盤にジュニーニョペルナンブカーノを起用という手に出る。これは言うまでもなく走れないFWを補うため(今日もロナウドは走らず、走っていれば受けられるパスを何度もフランスに奪われていた)だが、これがぜんぜん機能しない。ロナウジーニョが中盤にいないことで中盤が作れず、前半20分過ぎくらいから、ほぼフランスに中盤を支配されるようになる。これは誰の目にも明らかだったと思う。

後半、パレイラは絶対ロナウジーニョを中盤の本来のポジションに戻すと予想していたのだが、パレイラはなぜかこれをしない。で、前半と同じ展開がまたくり返される中、後半10分になる直前、ジダンフリーキックをノーマークのアンリがボレーし得点。パレイラはそれから10分後もうすぐ20分というところでやっとアドリアーノを投入し、ロナウジーニョを本来の位置に戻すのだが、これ以後ブラジルの中盤でのパフォーマンスが見違えるようによくなる。まったく悔やまれる采配だ。しかも、ブラジルのパフォーマンスが良くなってきた30分頃、パレイラはカカを下げてロビーニョを投入する。やっと中盤が良くなってきたのに、いくらFWの枚数を増やすためとは言え、まったく理解できない。ロビーニョ投入ならまったく走らないロナウドとの交代だろう?どうなっているのか?パレイラはなぜそれほどロナウドに拘るのか?監督の采配ミスで試合を失う選手を見るのは(例えば、アルゼンチンにしろ日本にしろ)つらいものだが、このゲームもこれに似ている。



そして、南米勢は誰もいなくなった。なんでヨーロッパで南米勢は勝てないんだろう?