Man. United - Roma
1 - 0
Champions League Quarter-finals - 09 April 2008 20:45 (CET) - Old Trafford - Manchester
・まったくローマもなめられたものだ。アウェイで2-0勝利、実質4点のアドヴァンテージとなって、ファーガソンはなんとホームのオールドトラフォードでのゲームを実質的にセカンドチームでスタートした。ロナウド、ルーニー、スコールズ、ヴィディッチ、エブラを外し、しかも負傷長期離脱していたシルベストルが左SBで先発、CBにはこれまでほとんど出番のなかったピケが先発(終了間際にはこれまた超長期離脱していたガリー・ネヴィルが投入された)。この試合の数日前に行われた、プレミア13位のミドルスブラ戦の方がはるかに強力な布陣だった。ローマにとっては屈辱ものだろう。ローマに1点でも先制されたらロナウド、ルーニーを投入しよう、それで十分、というのがミエミエ。デ・ロッシがPKを決めていたら、そのパターンになったのだが、デ・ロッシはこれを外して、結局そのパターンにすらならないどころか、こんなセカンドチームでもローマに勝ってしまう。私の知り合いのイギリス人のようなアンチマンU派――ていうか、私が個人的に知っているイギリス人はみんなマンU嫌いばかり――としては苦虫を噛み潰したような気分だろう。
・しかし、変則的なフォーメーションのおかげで、普段の試合では見ることの出来ないパフォーマンスを見ることが出来たのはちょっとよかった。それはハーグリーブス。MVPは得点を入れたテベスではなく、間違いなくテベスにセンタリングを上げたハーグリーブスだろう。普段、ロナウド、ルーニー、テベス、ナニがいるときは、地味な守備的ボランチ、あるいは右SB に徹しているが、この試合は攻撃全開だった。ウィンガーとしても十分マンUの中でやれる能力があることを証明するパフォーマンスだった。何度も右ウィンガーのパク・チソンを置き去りにする足の速さで前線に飛び出し、これまたパクには絶対出来ない、正確で高速のセンタリングを何本も供給した。どちらがウィンガーか分からない。守備でもパクの裏をカバーするなど、ありとあらゆるところに現れ縦横無尽の活躍。恐らくファーガソンは試合前、この試合に関してはハーグリーブスに絶対的自由を与える指示を出していたのだろう。ドイツWCの際の活躍を思い出せばこの程度当然のことなのかもしれないが、最近ひたすら地味だったので、ハーグリーブスの能力を忘れていた。素晴らしい活躍でした。(しかし、ハーグリーブスはスコールズの後継ということでスコールズが出るときは大体ベンチに座っている訳だが、スコールズが先発の時は、右SHで先発してもいいのではないかと思わざるをえない。ハーグリーブスのような何でも出来る人間がもったいないとファーガソンは思わないんだろうか。でも、ハーグリーブスは膝に慢性的な問題を抱えているらしいから、あえてフル出場を避けているのかもしれない。それにしても、ハーグリーブスがベンチからパクのプレーをどう見ているのか、本音を聞いてみたいところだ。)
・昨年ローマはマンUに歴史的大敗をした訳だが、今年もスコアは2-0、1-0だったが、内容的にはほとんど昨年に匹敵する大敗と言えるだろう。実際、後半40分前にはマンUのサポーターがぞろぞろ帰り始めてしまっていた。オールドトラフォードはマンチェスター中心部から離れたところにある8万近く入る巨大スタジアムのくせに、利用できる交通機関は路面電車に毛の生えたようなトラム(2線2駅が利用できるが1つは遠い)とバスだけで、帰るのが非常に大変なスタジアム。早めに帰りたくなるその気持ちはよく分かる。