サッカー女子 日本vsドイツ

北京オリンピック 3位決定戦 8月21日

0-2


前半を見て日本はドイツに勝てないだろうと予想した。後半15分ほどを見て「絶対」勝てないだろうと予想した。その直後、恐らくこの形で失点するだろうというその予想通りの形で先制点を入れられた段階で、ソフトボール決勝(日本vsアメリカ)にチャンネルを変えた。

この試合に関しては内容よりも、解説者(山本昌邦)とアナウンサー(不明)が終始、「日本が攻勢」とか、「日本いいリズムで攻撃している」とか、「ドイツは日本のつなぎサッカーになすすべなし」とか、「日本は楽しんでやっている」とか、延々と言い続けているのに呆然とした。一体どういう目をしているんだろうか?

日本がパスを繋いでいるといったって、DFとボランチがドイツのプレスがそれほど厳しくないセンターサークル近辺でたらたらボールを回しているだけなのに、これが「いいサッカーをしている」と見えてしまう目、これが日本の最大の問題だろう。日本ではこうした「目」を指導者たちが皆持っているのかと思うと、憂鬱になった。日本にはいいFWもいいDFも出てこないわけだ。(今回日本女子もFWとDF、とりわけCB×2+GKがダメという印象を受けた。)

恐らく、今の指導者層にとって、「パスを繋ぐことができる」ということが夢のようなことなのだろう。確かにJリーグ前の昔の日本サッカーを思い出すと、パスがつながらず、しょっちゅうボールがピッチ外に出て、しょっちゅうスローインをしていた。たまにワールドカップとか見ると、「ボールが外に出ないよぉ」とか驚いたものだ。その頃からすれば、今の日本は夢のような時代である。相手のプレスがそれほどなければパスを回すこともできるようになった。ロングパスもできるようになった。昔に比べたら、涙もののいい時代である。

でも、フットボールは敵がいないところでボールを蹴り合うことを目的とするスポーツではないんですよ。それが目的だったら、それは現代版「蹴鞠」です。そりゃ「蹴鞠」もできない水準に比べたら、「蹴鞠」でもできた方がいいに決まってますけど、でもそれはまだフットボールではありません。もういい加減、「蹴鞠」をフットボールの最大の評価基準にする時代は終わりにして欲しいです。