パワーポイントの罪

本日、某学校でチョークが教室にないというところから始まった学生との会話。
私「他の先生、板書しないの?」
学生「しないですねぇ。パワーポイントで、原稿配って、スライドを使って授業、って感じで」
私「‘原稿配って’って、それだとみんな寝ない?」
学生「寝てますよ、みんな。睡眠の時間です」
私「パワーポイント授業が多いってことは、その時間はみんな寝てるってこと?」
学生「そうですよ。先生の授業の時くらいですよ、大多数の人が起きて授業聞いてるのって(笑)」

今やパワーポイントは学生の頭を破壊するデバイスとなった。無論パワーポイントそれ自体が悪いのではない。恐らくは、パワーポイントで上手く行く場所もあるのだろう。だが、大多数の学生が寝ているというのにその同じやり方で押し通すということができる(授業をしたことにしてしまえる)という、とてつもない人間関係処理能力を持った人間(教員)が問題なのである。

学生は寝るものだし、学生はおしゃべりするものだし、学生は勉強しないものだ。学生を寝かさないでおく方法、おしゃべりさせない方法、勉強させる方法なんて考えても得になるわけじゃなし、そもそもそんなこと考えている暇はないよ――私には信じがたいものがあるが、こう考えられる人がいるらしい。そりゃそうだ。学生のために何かをする暇があったら研究業績出した方がいいし、学生と仲良くする暇があったら仕事がらみで人に恩の一つでも売っておいた方がいいに決まってる。学生から罵倒されたって痛くも痒くもない。うらやましい心的態度だ。