車の査定

Yの車(2005年式フィット1300A)を売ることになったので業者を何軒か回って査定を頼む。ネット上で同程度の車が100万強で売られているのを学習し、業者利益20万、傷(左ドアにへこみ傷があるほか、何カ所かにこすり傷もある)の修理費用を5万と見て、75万を目指すことを事前に決めて業者を回る。

最悪→アップルオート;社員が私服。これは今回回った業者の中でここだけ。店の貧弱さもナンバーワン。大学のサークル部屋といった感じ。まったく昔風の個人営業の中古車屋の域を出ていない。嫌な予感がしたが、実際その通りだった。営業マンが開口一番、今は3月の決算期を過ぎて時期が悪いことを言った上で、こちらの車のマイナス評価点のみを列挙する。傷がある、新古車だからワンオーナーじゃない、DVDナビはプラス査定にならない、など。買いたたこうとしているのが見え見え。はては、こちらが「この程度の傷だったら業者なんだから5万も出せば直せるだろう」と言うと、「確かに直せるが、そこまでして買おうとは思わない」とほざく。一応こちらが所有している車をぼろくそ言って、そのうえ「そこまでして買おうと思わない」とか言う営業がいるか?査定額は今回回った業者の中で最低の68万、リサイクル料をバックして69.3万。「てめえになんぞ死んでも売らねえよ」と心の中で毒を吐きまくって店を出る。こんなところに車を売る人間がいるのが信じられない。アップルで車を買うのはもちろん売るのもよしましょう。

機械的トヨタ(T-UP);査定担当者が一通り車を見て5分くらいであっさり金額提示。70万ジャスト。一切営業トークなし。交渉の余地皆無。大組織なんで買い取りマニュアルがきっちりしすぎているのではないか?「そですか、ありがとございました」と店を出る。

好印象→カーセブン;営業マンがまず、車の長所を言う。「高年式だし、低走行距離だし、ナビもETCもついてますね。フィット人気あるしぜひ買わせて欲しいです、ゴールデンウィークは結構売れ時なんでこの時期はいいですね[アップルと言うことがぜんぜん違う]」。そうそう、いくら売る車だって、ほめられた方がいい気分になるのが人間ってもんだよね。で、その後やっとマイナス点を言う。「傷があるんですよね。惜しいですよね」。提示はトヨタと同額の70万だが、本部に交渉して少しは上乗せできるかもと言う。ここが最初に行ったところだったが、最後に行っていればここで売ったかもしれない。ごめん。

売却先→ガリバー;営業マンが「昨年の購入時税込み150万近く出した車の買い取り価格が、この程度にしかならないのは申し訳ないのですが」と切り出し、カーセブンと同じタイプのトークを展開する。好印象。しかも、金額を即座に本部と交渉し具体的に提示してきた。最後に行ったところなので、こちらが「これまでの業者の査定ですでに70は出てる、ガリバーには期待して来た、何とか74にならないか」と言うと、まず71.5を提示。さらに「じゃ、73」と言うと、もう一度本部と交渉し72の提示。ここで妥協した。いずれにしろ、決して強引な口調ではないが、「買いたい」という意欲を一番見せたのがここだった。ハードにただがんがん行くばかりが営業ではない、あるいは客に対して強い態度に出るだけが営業ではない、それよりも効果的な営業があるということを証明していた。ガリバーは出張査定を頼むと3時間は帰らない、強引なセールスをするとか悪評を聞いていたのだが、今回印象が変わった。

いずれにせよ、つくづく営業マン教育は大切だと思う。アップルの提示額はガリバーの提示額と2.3万しか違わない(2.3万も違うという言い方もあるが)。しかし、かりにアップルが72を出しても決して売らないだろう。あの営業トークで売るためには絶対的に他の業者より高い額を出す必要がある。高飛車に対応し、客に安い提示を強引に納得させようとするような営業で誰が売る気になるものか。逆効果でしかない。アップル、よく勉強しろ。