6月9日 ドイツ VS コスタリカ
4−2。ワールドカップ開幕試合だが、はっきり言って大味でしまらないゲームだった。1週間前の親善試合、日本vsドイツの方がはるかに緊張感があった。
①コスタリカの守備があまりにもお粗末。コスタリカの基本は4−4−2だが、押し込まれると最終ラインを5人に増やし(つまり、5−3−2にして)ペナルティエリア前に並べ、近づいてくるプレイヤーをそのうちの一人がチェックしに行くという単純なゾーンディフェンスを最初から最後まで崩さなかった。このディフェンスラインの上げ下げをまったく行わないドン引き守備(しかも、最前線のフォワードが引いて守備をするわけでもない)のおかげで、ドイツは中盤でまったくプレスを受けず自由にボールを回すことができ、ドリブル突破を試みたり、動き回る前線にボールを放り込んだり、ミドルシュートを打ったり…とやりたい放題。最初の失点は、ドン引き守備の前の広いスペースに進入したドイツ左サイドバックがフリーの状態でねらいすまして、ゴール右上隅にミドルシュートというもの。ドン引きディフェンスの前のスペースからフリーのミドルシュートというこの失点の仕方は、昨年のコンフェデ杯、日本対メキシコで、日本が最初の失点をしたときのパターンとまったく同じだが、この守備じゃ強豪国には絶対勝てない。
②コスタリカは攻撃もお粗末。コスタリカは徹底的に守ってカウンターという戦略だったのだろうが、いくら何でも攻撃をフォワードの二人だけ、さらに言えばワンチョペにだけに頼っていては、何もできない。誰かがボールを奪っても周りのプレイヤーがまったく前に向けて走ろうとしない。その上、フォワードにはマークが張り付いているから、結局パスの出しどころがない。で、どうなるかというと、しばらく持ったあとで(だから球離れが遅い)、強引にフォワードにパスを出して取られるか、横、後にいる味方にパスを出してそのうちドイツのプレスでボールを取られるか、という状態が最初から最後まで延々と続く。どうして修正しないのだろう?監督はバカか?
③そんなどうしようもないコスタリカの攻撃にも関わらず、ドイツのディフェンダーはたびたび突破され2失点。ドイツの守備のへなちょこぶりもひどかった。ラインを上げるのはいいがこれがコントロールされていない。2失点はいずれも、ワンチョペにラインが乱れているのを読まれてオフサイドトラップをかわされ、ディフェンダーの裏に一気に走り込まれての失点。コスタリカはこれをそれほど何度もできなかったので敗戦したが、日本は数え切れないほどこれに成功していた。3月のイタリアとの親善試合で4失点というのが納得できる。攻撃力をそれなりにあるがこの守備では優勝なんて絶対できないどころか、16強止まりではないか。