6月11日 オランダvsセルビアモンテネグロ

1−0。巨人国同士の戦い。何しろ選手がみなデカイ。ファンデルサールが198cmで絶対最高だろうと思っていたら、セルビアフォワードは203cm!ピッチが狭く見える。180cmのロッベンが完全に小柄な人である。大黒とかここに入ったら完全に子供にしか見えないだろう。オランダ人は子供の頃成長ホルモンを飲むって本当だろうか?

オランダは終始攻勢だったが、ロッベンが際だっていた。セルビアはまったくロッベンの高速ドリブルを止められず敗戦した――というのが総括。スコアは1−0だが、点差以上に実力差を感じたゲームだった。

それにしてもオランダはいろんなことをやってくれる。守備では相手のコーナーキックに対してゾーンで守ってみせたり、攻撃ではトリッキーなフリーキックを試してみせたり。また、オランダは「どうしても」というとき以外、無意味なスライディングタックルなど決してしない。まずは何しろきっちり複数の人間でプレスをかけてボールを取ろうとする(昔、オランダサッカー事情というようなTVで、コーチが小学生低学年くらいの子供たちに延々と3人でのプレスのかけ方を指導しているのを見て驚いたことがあるが、オランダのプレッシングってまさに「三つ子の魂百まで」の域にあるんだと思う)。かつてクライフはイングランドフットボールを「見てる分には楽しい。プレイヤーが転びまくってるから」とからかったが、その精神は着実に継承されている。オランダのフットボールには「フットボール、かくあるべし」という独特の哲学がある。哲学者のように顔をしかめて何時間も戦術論争するオヤジたちの顔が目に浮かぶようだ。恐らくオランダの強さも弱さもこの「戦術談義大好き」というところにあるのだろう。

これで、C組全チームを見たが、やはり突破はアルゼンチンとオランダか。