6月13日 ブラジルvsクロアチア

1−0。何よりブラジルの不調が気になったゲームだった。とりわけFW。さらにとりわけロナウド

ロナウドは何しろまったく走らない。後半ロビーニョと交代となるが、およそ1時間でどれくらい走ったのだろう?カメラがロナウドをとらえている限りほとんど歩いていた。たまに走ってもジョギング。しかも、その走り方はなんか相撲取りがジョギングしている感じ。本人は否定しているがやはりデブだよ。60分ほどゲームをしてボールに何度触れただろうか?1回だけドリブルからミドルを打った(バーのはるか上を通過)が、このときがほとんど唯一ロナウドが走り、ボールに触れた瞬間だった。かつてバルサにいた頃超高速で走り回っていた人間と同一人物とはおよそ思えない。年とって省エネ型にしてはいるのだろうが。94年大会のロマーリオも走らないFWだったが、ここぞというときには決定的な仕事をしていた。ロナウドも89分眠っていても残りの1分で決定的なことをするつもりかとその瞬間を待ち続けていたのだが、結局何も起らなかった。全員攻撃全員守備の現代フットボールでかつてのロマーリオ・タイプ(と言っても、ロマーリオ、ブラジルで現役でやっているらしいが)のプレーヤーは通用しない。リケルメを古典的とメディアはよく言うが、今のデーブ・ロナウドの方がはるかに古典的だろう。

前半はクロアチアが守備重視で戦っていたので、ブラジルがもう一つ崩せない展開が続いたのもしょうがないのかと思っていたが、前半終わり頃カカにミドルを決められて(ブラジルがこのゲームで個人技と言えるものを見せたのはこのカカのシュートの瞬間だけではないか?)迎えた後半、クロアチアが攻勢に出てきてもブラジルの攻めはもう一つだった。なにしろ(マジック・カルテットを含めて)プレイヤーがトップスピードで動きながら連携するということがない。チャンピオンズ・リーグなどでロナウジーニョやカカたちが見せる高速のチーム戦術を知った目で見ると、完全にスロー再生。ロビーニョがいくらペダラーダとかしても、他のプレイヤーと連携してなければ、個人技と言うより単なるお遊び芸だ。はっきり言って、これでは平凡な普通のチームである。まあ、ブラジルはどの大会でも試合をこなしながらこの連携を作ってゆくようなところがあるので、初戦はとりあえず勝てばいいのかもしれないが、もしこの調子が続くようなら、アルゼンチンやイタリアには勝てないと思わせるパフォーマンスだった。