その心は

あるある大事典」納豆問題とかけて大方の!社会学ととく。その心は?

ヤーキーズのプロトコールは厳密でかなり骨の折れるものであった。検査官は不合格者に別のテストを再度受けさせるために人々を速やかに分析し、即座に被検者を等級に分けなければならなかった。さらに頭痛の種だったが、いくつかのキャンプの高級将校から間接的で遠まわしの敵意が向けられたため、ヤーキーズの検査官たちは、決められた手順のまねごと以上のことはほとんど行なえなかった。彼らは必要に応じてたえず妥協し、撤回し、変更した。手順はキャンプごとに全くといっていいほど異なっており、その結果はほとんど対照することも、比較することもできなかった。非実用性と野心過剰以外はヤーキーズの責任ではないが、このような努力全体は、たとえ不名誉ではないにしても、ひどい混乱状態になった。この詳細な記述はヤーキーズのモノグラフの中にすべて書かれていたが、ほとんど誰も読まなかった。処理された統計が人種差別主義者や優生主義者の重要な社会的武器となった。その腐敗の核心がモノグラフの中に何も処理されずそのまま記録されていたが、表面的には心地よいメッセージが光り輝いていた時、誰がその中身を読もうと思うだろうか。(グールド『人間の測りまちがい』)