日本vsペルー

キリンチャレンジカップ2007 3月24日(土)19:30 / 会場:横浜・日産スタジアム

1前半はまったくダメ。球離れが遅く、選手も動かない。プレスも遅い(といか、かからない)。スローモーションを見ているようだ。セルティックでは敏捷性がまったく感じられない中村俊介が普通に見える。

2後半立ち上がりから、ハーフタイムに恐らくオシムに言われたのだろう、プレスがかかるようになり、やっとボール回しも早くなり始める。

3後半投入された中村憲剛、羽生もそうだが、とりわけ終了間際に入った若い家長、藤本、水野はそのスピード感覚において、ドイツWCメンバーのはるか上を行っていることがよく分かった。中村俊介の他、中田英寿、小野などが現れたとき、そのテクニックがその前世代(三浦カズ、北沢世代)に比べはるか上を行っていると思ったものだが、同じ種類の感慨を感じさせられた。

4ただ、ボール回しのスピードを少しくらい上げるだけでは得点には至れない。得点するには、スピードでもテクニックでも何でもいいが、敵の想定外のことをする能力が絶対に必要だ。この点では、中村俊介フリーキックの技術は飛び抜けている。セカンドチームのようなペルー相手なのに、日本は中村俊介のキックからしか得点できなかったという事実は考えさせられる。

5とすると、中村俊介をどうするかはオシムにとってなかなか頭が痛いところだろうと思う。中村は現代表の中で、ドイツWC時イングランド代表におけるベッカムのような立場にある。守れない、走れない、でも得点能力不足のチームにとってはそのフリーキックはやっぱり捨てがたい存在――という意味で。

6高原は素晴らしかった。高速の浮き球をトラップしてから反転してのシュートは、マンU時代のファンニステルロイみたいだった。