FAカップ 決勝 チェルシーvsマンチェスターUtd

at WEMBLEY NATIONAL STADIUM in London 5/19 



・実力が伯仲したチーム同士、一進一退の緊張感のあるゲームで、見応えがあった。このような互角のチーム同士が闘うと、自然とキープレイヤーというものが見えてくる。

・マンチェスターUtdはスコールズマンUスコールズのチームであることが改めて分かった。スコールズは他の誰よりも、守備と攻撃の切り替えの起点になっている。スコールズのいる場所にボールが吸い寄せられるように収まる。スコールズに向かってボールが動いてゆくとしか見えないプレーを何度も見ると、何か魔法を見ているようだ。ゴルフのタイガー・ウッズが「好調の時は、グリーンにボールが通ってゆくラインがはっきり見える」とインタビューで語っているのを読んだことがあるが、スコールズにはボールが動く‘べき’ラインが事前に分かるのではなかろうか?ただ、スコールズも来季確か33歳。ハーグリーブスが是非とも欲しかったわけだ。

チェルシーではエッシェン。この試合に限らず今季のチェルシーは中盤の構成に手こずっていたが、これは、エッシェンジョン・テリーリカルド・カルバーリョの欠場によってCBで起用されていたためと考えるしかない。今期のチェルシーが優勝を逃したのは、テリー、カルバーリョと二人のCBの相次ぐ故障欠場→エッシェンのCB起用→中盤が作れない→ドログバへボールが供給できない→得点力不足、のためなのは明かだ。中盤にエッシェンがいないことで、チェルシーの中盤のキープレイヤーがランパードでもバラックでもなくエッシェンだということが明白になってしまった。チェルシーは来季3人目のCBの補強、あるいはエッシェンに匹敵する運動量を持つCHの獲得に乗り出すのではないか?しかし、ドログバエッシェンカルバーリョというチームの軸がいずれもモウリーニョがビッグネームではない頃にスカウトした人間。モウリーニョの目は大したものだと思わざるを得ない。延長にもつれ込んだゲームを決めたドログバはもはや間違いなく世界有数のFWの一人になってしまった。