水野和夫『人々はなぜグローバル経済の本質を見誤るのか』

日本経済新聞出版社、2007年

2007年上半期「ベスト経済書1位」(週刊東洋経済)とかいうので、読んでみた。

第1章冒頭第1文の参考文献が大澤真幸柄谷行人というのでいきなり腰が抜けそうになりました。めげずに読んでいくと、ウォーラーステインブローデルetcに依拠して、「1995年という切断点――これ以降、世界は‘新中世’に突入し‘帝国’の時代となった、かつての経済的常識はもう通用しない」というめくるめく壮大なお話が展開されます。

リーマンショック前の2007年の気分を示す1次資料として読むのが正解だと思いました。

*筆者の肩書きは「三菱UFJ証券 参与・チーフエコノミスト」です。やり方次第では、証券会社とかの方が大学なんかよりよっぽど自由に書きたいものを書けるようですね。