最近のいくつかのゲーム3

UEFA Champions League
Semi-finals - 28/04/2010 - 20:45CET ( 20:45 ) - Camp Nou - Barcelona

Barcelona 1 - 0 Internazionale
 Piqué 84'

Aggregate: 2-3

こんなゲーム滅多に見られない。「凄まじい」ゲームだった。「凄まじい」という形容語は通常攻撃に使用されるものだが、このゲームに限っては守備に使用される。

モウリーニョのポリシーは1戦目と同じく(というよりチェルシー時代からずっと同じく)、この2戦目も明確。守ってカウンター。だが、その水準がただものではない。南米の6人が核となって作り出す守備(最終ライン=ブラジル×2+アルゼンチン×2、ボランチ=ブラジル×1+アルゼンチン×1、ついでに言えばGKもブラジル人)は、フィジカルの強靱さは言うまでもなく、その組織的連携、判断の速さ、的確さ、どれをとっても本当に見応えがあった。

バルサはそもそも基本的にセンター攻撃のチーム、つまり攻撃時にセンターに切り込んでいくチームだが、インテルは意図的にさらにバルサの攻撃をセンターに誘導し、ボランチ+最終ラインで徹底的に潰しまくった。メッシがボールを持つとボランチ 2人、場合によってはさらにDF1人が前に立ちはだかるのを何度見たことだろう。バルサのサイドからの放り込みは事前に左右のSHがその芽を摘み、仮に放り込まれても最終的にはCBが高さ勝負で勝てるわけだから、この戦術はバルサ対策として非常に有効なわけだ。・・・と、理屈上は分かるが、これを90分間(バルサに80%ボールキープされつつ)実行できるかどうかはまったく別問題なわけで、まあ、こういう戦術を実行できるチームを作ったこと、これがモウリーニョの手腕というものなのだろう、と感慨にふけりつつゲームを見ていた。

それにしても、バルサ唯一の得点はCBのピケの反転シュート。日本のFWは同じ真似があの場面でできるだろうか? ピケは足もとてつもなく速い。我が日本代表を瞬間思い出して憂鬱になった。