Netherlands vs Denmark

Netherlands
* Daniel AGGER (46' OG)
* Dirk KUYT (85')
2:0 (0:0)
Denmark
Match 9 - Group E - 14 June
オランダが今WC最強国の一つであるのはみんな知っている。むしろこのゲームでの注目はデンマーク。予想以上に強い。デンマークがこれほどとは思わなかった。確かにオランダ相手にディフェンシヴで慎重な戦い方だったが、ロングパス一本でサイドチェンジしつつSBファン・ブロンクホルストの裏を反復的に突き、シュートまでもってゆく(そしてこれによってサイドバックを釘付けにする)技術一つをとっても、目を見張るものがあった。そして、何よりオランダ人の嫌いなフィジカル・コンタクトを反復的に行い、テクニック勝負に持ち込まないというのも、試合巧者という印象を持った。何度も言っているが、オランダ人ってのはフィジカルコンタクトが嫌いで、これをやられるとキレて技術を忘れてやり返してしまうという特質を持っている(http://d.hatena.ne.jp/Zephyrus/20090906/1252202793)。このゲーム、デンマーク・メディアは、オランダのファウルが多かったので「オランダ人はダーティーだ」とか言っているが、そういうゲームにそもそもデンマークが戦術としてしたんだ、っての。前半はフィジカル・コンタクトを伴う攻防が中盤を支配し、基本オランダが優勢とは言いながら0-0で終わるのは、デンマークのこうした技術と戦術が上手くいっていたからだと思われる。

しかし、後半冒頭、デンマークはアッガーがオウンゴール。これでオランダを苛立たせながらその技術を封じ、カウンターを仕掛けるというデンマークのプランは崩壊。反動を利用して得点を狙うのではなく、組み立てて得点を狙わなければならなくなる。しかし、オランダ相手にそれができる程の技術はデンマークにはない。この状況を見透かしたかのように、ファン・デル・ファールトに代えて途中投入された左ウィンガー・エリアが、左サイドを立て続けに突破。結局、これがカイトの得点を導くことになる。(日本の右は弱い。右SH松井、中村俊、右SB 駒野、今野、内田、誰を出して誰と組ませてもズタズタにされるんじゃなかろうか?)

日本の対オランダ対策はデンマークと基本同じ。主力温存、サブを何人か出してフィジカルコンタクトやりまくりの全員守備、スナイデルはとりわけ削りまくって変調をきたさせる。サブはスライディング専従、カード覚悟という位の気持ちでいい。まともに技術勝負なんかしたら5点くらい取られてしまう。で、ここぞという時だけカウンターをかける。特にSB裏のスペースへの放り込み。もちろん0-0引き分け狙いでOK。というか、負けてもOK。

日本にとっては、カメルーンに勝って1勝1敗と、日本と同じ状況になるだろうデンマーク戦が鍵となる。対策、と言っても日本に出来ることは一つしかなく、対策もへったくれもない。カメルーン戦と同じ戦い方をすること。一縷の望みはあるかもしれない。まあ普通に考えたらグループE予想は;1位オランダ、2位デンマークだろうけどね。