手術

長かった。入院の日も長かったが手術はもっと長かった。長く感じた。こんなに長時間病院に病気でもないのにいた経験がない。

朝8時半、今朝まで降っていた雪が残る道を徐行運転で病院入り。
9時、手術開始。手術中は指定された場所で1人で延々と待つ。(一族郎等10人で手術付き添いに来ている家族がいたりして驚く。)
午後1時、さすがに昼食を食べておこうと思って看護師にその旨伝えに行くと、看護師が「手術が終わりました。医師から説明があります」。場合によっては3時くらいまでかかるとも主治医に説明を受けていたのだが、随分早い。看護師と一緒に手術室のあるフロアーに。しばしあって、手術室の隣の狭い部屋に入ると、小テーブルを前に立つ医師2 人。テーブル上のステンレス・バットには切り取った直腸。綺麗に切り取られた肉塊(長さ20cmほど、切り開いた直腸の内側は腸壁の襞がはっきり分かる。見た目、巨大な300g級ホルモンの塊)。「この部分が癌です」と主治医が示す部分は確かに3cm弱円形に盛り上がって赤変している。「これが癌」と頭の中で反復する。生で癌を見てしまった。
午後2時、手術室から病室(個室)に戻ってくる。もう麻酔が覚めていてこちらの言葉に反応する。以後10分おきに看護師が様子を見に来るのだが、さすがに今朝(雪で車が動かせない場合、小1時間病院まで歩くしかなかったので)早起きしたせいか、病室でうつらうつら。
午後5時、ドクターが様子を見に来る。予定通り、とのこと。
午後6時、病院を出る。
午後7時半、土曜から延々と高崎に泊まり込み3日ぶりに今日帰宅。また明日行く、しかない。


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延々と「癌」とは何か、考えている。癌は人を走らせる、人を集める、人を過去と未来に向かわせる、言い淀ませる、躊躇わせる、質問させる、考えさせる、驚かせる・・・。