ドライブレコーダー・ブーム
ここのところあおり運転が話題になって、ドライブレコーダーDRがよく売れているらしい。
車で走っていると実際、本当に信じられない光景を目にすること、そして恐い思いをすることが結構ある。
深夜中杉通りの真ん中で自転車ごとひっくり返って寝転がっている人間(酔っ払い)を見たこともある。手前で車を止め「大丈夫ですか?」と降りて声をかけたら「バッキャロー。向こう行ってろー」と返されたので、「ああ、そうですか」とその脇を車で抜けた。また、すでに赤信号になっているのに、青信号で走り始めた車に急ブレーキを踏ませて停止させ、片側3車線の目白通り交差点を自転車で爆走横断してゆく人間(オバサン)を見たこともある。目を疑った。
相手が車なら(物損事故)まだいいが、人間なら(人身事故)どうなるだろうと考えると、自衛手段としてDRをつけようかと最近真剣に考えている。
今までで一番恐かった経験はこんな感じ。
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今からもう15年ほど前。当時所沢に住んでいて都心から家に帰る途中。車は長く乗っていたレガシィワゴン2.0TS-R(BG5)(ヘッドライトはハロゲン)。時間は初夏の夜7時頃。場所は東京都小平市、青梅街道(上下片側2車線)下り。
https://www.google.co.jp/maps/@35.7366246,139.5194853,3a,75y,282.92h,91.49t/data=!3m6!1e1!3m4!1sgpvJsABrfyVuCVdWbV7BNw!2e0!7i13312!8i6656?dcr=0
ここは青梅街道の長い直線区間。制限速度は50キロだが、信号間距離も長く、スピードも出やすいところ。上り方向は大渋滞していて2車線とも極低速走行。夜なのでその渋滞する大量の車のヘッドライトが下り車線を走っていると非常にまぶしい。対して、たまたま下り車線はがらがら。前にも後ろにも車がいない。街灯もない直線道路の遠い先に青信号が見える。
まぶしさを感じながら中央より車線を60キロほどで走行。速度超過と言えば確かにその通りだが、通常の青梅街道の流れからしたらまったく普通以下の速度。
想定外は、恐らくは信号間の距離が長いせいだろう、横断歩道のある信号まで行くのが面倒で、信号機がない場所で上下4車線の青梅街道を渡ろうとする歩行者がいたこと。その人間(恐らく高齢男性)は青梅街道下り中央より車線のど真ん中に立ち、渋滞する上り車線の車の間を通るために、下り方向を見ながら車が停止するのを待っていた。しかも、黒っぽい着物(和服)を着て!
つまり、こちらからすると、その人間は、頭の先(頭髪)から足元まで真っ黒! しかも対抗車のヘッドライトはまぶしく、自車のヘッドライトは今では信じられないほど暗いハロゲン。その人間は完全に黒い影でしかない・・・。
気付いたときには目の前に人間がいた。ブレーキをけ飛ばすように目一杯急ブレーキを踏むと同時に左に目一杯ハンドルを切る。急ブレーキで前輪が瞬間ロックしてギッとスキール音がするが、ABSが間髪を入れずにこれをリリース。扁平率45の薄い前輪タイヤのショルダー部分がぐにゃりと歪むのが分かる。だがABSのおかげでタイヤを歪ませながらも車は左に曲がってくれた。急減速したが恐らく速度はまだ40キロ。その速度で、その人間の30センチ後ろをレガシィの右フロントフェンダーが抜け(ぶつかると思ったが)、次いで運転席サイドウィンドウを下ろせば手が届くところをその人間は通り過ぎていった。ABSがなかったら間違いなく衝突していただろう。最後までその人間はこちらを見なかったが、自分のすぐ後ろを車が通過したのは分かったはずだ。
「何だ今のは?!」と思った次の瞬間全身に大量の汗が吹き出した。
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あの時ぶつかっていたらどうなっていただろう? 青梅街道夜間、信号機のないところで道路を横断しようと、走行車線の中央に立つ人間、そしてその人間とぶつかる車。大きな人身事故(重症)。もしかしたら死亡事故。過失割合はどうなるのだろう? どのような処罰が来るのだろう? はたしてその後も車に乗っていられただろうか? 今考えても恐ろしい。