経過報告4

N氏が言っていた最終文の「上品さ」について考えている。

確かに我ながら淡泊だと思う。この最終文を含む最終節はもうすでに言った重要点を念押しをするためのものではなく、基本的に論文全体の流れを調整するために書いている。「優生学って単純に生物学的還元論(の一形態)と思われてるけど、そして実際そうでもあるけど、それだけじゃないでしょ」って最後に確認したって感じ。問題は「それだけじゃないでしょ」の中身だけど、それはもうさんざん言ったんだからもう一度言わなくていいよね、分かってくれたよね、って感じ。

でも、言われてみると、この結論部の書き方からすると、分かってくれない人がごまんといるような気になってきた。単純に「永井が‘本当に考えていたこと’をこの論文は明らかにしてるわけか」とか、「なんかよくわからねえことだらだら書いてっけど、これって結局、思想史の一種じゃんか」ってこの最終文を読んで総括しちゃう人間がたくさんいる気がしてきた。ていうか、そんな人間ばっかじゃないかという気がしてきた。

しかし、この疑念を打ち消すにはここで何をどう言えばいい?論点を繰り返すか?最終文の「学問的構想」という言葉がとりわけよくない気もしてきた。これを別の表現に変えればいいか?いずれにせよ、他方で字数削減要請がある。あと何枚か書いていいなら、現在の結論に付け足す形で、要点の反復ができるが、必然的に枚数は増える。しかも、反復して念を押すようなことを書けばどうしてもエグミが出る。

何より最大の問題は、この時期、講義+雑務で忙しくてじっくり考える時間がないこと・・・(sigh)。